直葬とはどんな葬式なの?費用や流れについても解説!
昨今、式典というもののとらえ方が変化し、結婚式や葬式などが簡素化の傾向にあります。かつては少しでも華やかにしたいという人が多く、派手婚というのが人気を集めました。しかし今の時代は、家族婚や家族葬などといった少人数での式が求められているようです。今回は、よく耳にする直葬について解説します。
直葬とはどのような葬儀なのか
直葬とは通夜や告別式を一切行わず、自宅や病院から直接火葬場に運び火葬を行うことをいいます。直葬の際には、家族や親戚だけに集まってもらい火葬を行います。法律によって死後24時間以内に火葬を行ってはいけないと定められているため、直葬であっても安置は必要となります。火葬炉の前で僧侶にお経をあげてもらいお別れとなります。火葬後は一般的な葬儀と同じように、お骨を骨壺に収める骨上げをします。通夜や告別式を行わない分スピーディーに進んでいきますが、直葬にするかどうかをしっかり親族と話し合うことが大事です。
直葬を選ぶ理由
一般的な葬儀をせずに直葬を選ぶ人が増えていますが、どのような理由で直葬を選ぶのでしょうか?ここでは、直葬を選ぶ理由をチェックしましょう。
高齢化社会
高齢化社会が進んでいる今の時代は、故人に縁のある人たちもさまざまな要因で参列が難しくなっています。そのような現状から通夜、告別式を行わないケースが多いです。
経済面
故人が長期療養の末亡くなった場合などは、医療費や葬儀費用の負担が大きいです。直葬を行うことで費用は大幅に抑えられるので、金銭的な負担は軽くなります。
核家族化
核家族化が進んでいるなかでは、葬儀も家族や親族だけで行うシンプルなスタイルが好まれています。遺族にとっては、家族だけで葬儀を終えることができます。
近隣地域との関係性の希薄化
地域によって違いはありますが、葬儀の際は近隣の方にお手伝いをお願いすることが多いです。自治会で役割を決めて葬儀を行う場合も少なくありません。しかしこのような慣習は次第になくなり、近年は親族のみで行う家族葬が増えています。
また、菩提寺(先祖代々のお墓のあるお寺)との付き合いが薄い、菩提寺そのものがないというケースが増えています。このような背景から直葬や少人数制の葬儀が求められ、気遣いなしに葬儀を終えることができるのは、遺族にとってはメリットとなるのでしょう。
直葬の費用と流れについて
次に、直葬を行う場合の費用と流れについて見ていきましょう。
直葬の費用相場
直葬は一般的な葬儀に比べると費用を大幅に抑えることが可能で、平均費用は約36万円となっています。一般的な葬儀の平均費用が約191万円なので、直葬は5分の1程度に抑えることができます。葬儀社の中にはかなりの低額で行えると宣伝している場合がありますが、その内訳としては必要な物品やサービスがすべて含まれていません。
直葬に必要な物品やサービスは「搬送2回分(病院から安置所、安置所から火葬場)」「安置施設使用料(3日分)」「ドライアイス(3日分)」「棺、骨壺、お別れ用の花束などの物品一式」「火葬料金」「運営スタッフ」「火葬手続き代行」などとなります。
物品やサービスの詳細としては、安置施設使用料の費用相場は、5,000円~3万円、ドライアイスの費用相場は、一日約1万円程度となります。棺については価格に幅があり、約3万円~6万円前後が一般的といわれ、骨壺については約5,000円~2万円が相場となっています。火葬料金は、公営の場合は無料~5万円、民間の場合は5万円~15万円が相場となります。葬儀社スタッフの人件費や手続き代行料の費用も必要です。
直葬の流れ
直葬の流れとしては、臨終からお迎え・安置、納棺・出棺、火葬、骨上げという順番になります。詳細は、亡くなった後、葬儀社に連絡して遺体を迎えにきてもらいます。病院で亡くなった場合には死亡診断書が発行され、自宅で亡くなった場合は警察による検視が行われることがあります。法律によって死亡後24時間は火葬できないため、葬儀社の安置施設などへ搬送します。
搬送後、葬儀の担当者と火葬場や僧侶の手配などの打ち合わせをし、棺には故人が好きだったものや花などを収めます。火葬を行う前に僧侶にお経を読んでもらい火葬となり、火葬が終わるまでの約1時間、控室で待機することになります。火葬後に遺骨を骨壺に納める儀式「骨上げ」を行い、喪主から順番にお骨を骨壺に収めていきます。お骨は足側から拾い、最後に咽仏を収めるのが習わしとなっています。
まとめ
直葬という葬儀を解説しました。一般的な葬儀は通夜、告別式を行うため、どうしても費用は嵩みます。直葬での葬儀は直接火葬場に搬送し火葬するため、費用の削減にもなり労力を使うことも少ないです。この背景には、伝統や形式に縛られず、従来の葬儀にこだわらない姿勢が見えてきます。そして少子高齢化や核家族化が進んでいる現実があり、葬儀を簡素化したいという考えが少なくありません。また一般葬儀の場合、香典やお供えをもらえば香典返しをしなければならず、親族だけの直葬を行えばこのような対応はすべて不要となり気疲れをすることもなくなります。直葬か一般的な葬儀かを決断するときは、親族としっかり話し合い後悔のないようにしましょう。