香川県の葬儀事情!香川県ならではの風習とは
香川県ではどのようなお葬式をあげているか知っていますか?香川県はうどんで有名な県でもありますが、地域ごとの特色があり、独自の文化を受け続いている地域でもあります。そこで今回は、香川県ならではの風習を取り入れたお葬式についてご紹介していきます。
香川県で今でも根強く残る葬儀の風習とは
香川県には寺院が多く、信仰心が強い地域ともいわれています。そのため、お葬式の文化にも他の地域には見られない独自の風習があるのが特徴です。
1つ目は「末期の水」は樒で行うことです。ご臨終に立ち会った方が、故人の口に水を含ませるものを「末期の水」といいます。多くの場合は湿らせた脱脂綿などを使って唇を濡らすのですが、香川県では樒(しきみ・しきび)と呼ばれる、水に浸した枝葉を口に当てるのが特徴です。一部の地域では末期の水を行うときに、わらを反対に編んで作った縄をたすき掛けにし、着物の袖を止める風習もあるようです。袖が故人にかかると失礼という考え方から生まれた習わしだといわれています。
2つ目は自宅葬では納棺せずに通夜を行うことです。香川県の自宅葬では、故人を納棺せず通夜を行うことがあります。祭壇の前に布団を敷いて故人を横たわらせた状態で行うのです。その場合、納棺は翌日の葬儀の直前にするのが一般的。さらにお葬式で通常とは違うことをする「逆さごと」の風習がありますが、香川県では「納棺した故人にたすきを逆にかける」習わしがあるようです。
3つ目は出棺の時に三角頭巾をつけることです。香川県では火葬場へ向かう時に三角頭巾をつける風習があります。女性は紙の三角巾を品で髪に留め、男性は頭にそのままつけます。魔除けのため、死者と同じ装いをして三途の川の前まで迷わずに送るためなど、いくつかの諸説があるそうです。
4つ目は同じ組の人たちが手伝ってくれることです。香川県では古くから続く自治体制度を持っている地域に「講」と呼ばれる組織があります。その中には隣近所で集まる「組」と呼ばれる組織もあるのです。同じ組の人たちは、同じ組の方がなくなると出向き、食事や受付などの準備を手伝うのが一般的です。これは香川県に伝わるしきたりで、お葬式の準備が大変な家族を助けるために生まれたもののようです。
赤飯を炊くのは香川県ならではの風習?
赤飯といえばおめでたいことがあったときに炊くイメージですよね。しかし、香川県では初七日のお膳に赤飯を炊くことがあるのです。身内が亡くなって喪に服している期間はお祝い事を控えるために、食事でも華やかなものや晴れやかなものは避けるのが一般的となっています。
しかし、香川県東部では初七日のお膳赤飯をつける地域があるそうです。それだけではなく、初七日以降に行う忌日法要のお膳にも赤飯がつくみたいですね。昔から赤色は「邪気を払う」といわれており、厄除けという意味で香川県ではある一部の地域で出しているようです。ちなみに、香川県以外のある地域でも赤飯を出すことがあります。
香典や火葬の流れは一般的な葬儀と同じ
独特な風習を持っている香川県ですが、香典や画像の流れは一般的な葬儀と同じです。知人や友人の場合は3,000〜5,000円、親族の場合は10,000円〜10,000円の基本的とされています。ただ、親族の場合は金額に幅が見られることも多く、縁が深い身内であれば50,000円以上もの香典を包んでいる方もいます。自治会や同行の間では金額が均一で集められることも多く、500〜3,000円の中で徴収されることが多いですね。
ちなみに香典のお返しは基本的にはお葬式当日にお渡しする「即日返し(当日返し)」が増えてきています。しかし香川県では一味違い、四十九日の忌み明け以降に返す「後反し」が一般的だといわれており「即日返し」を選んでいる方は少ない傾向にあります。さらに、香典の書き方にも少し違いがあります。基本的に香典袋の表書きは宗教・宗派問わずに「御香典」がよく選ばれています。
しかし香川県では通夜式には「御悔」、葬儀や告別式には「御香典」と書くのがマナーになっているようです。香典袋は一般的なものと変わりはありません。香川県の地区には火葬を行える公営斎場が整っています。ほとんどの斎場に待合室が備えられているので、火葬を待っている間も家族でゆっくりとした時間を過ごせるのが特徴です。
また、火葬場から家に入る前には塩と水で清めるのが一般的です。一方で香川県の1部の地域では青竹の小さな竹馬をまたぐ風習があるようです。この時米粒を噛みながら塩をかけてお清めするのが、香川県の一般的な習わしとなっています。
今回は香川県ならではの伝統が詰まったお葬式をご紹介してきました。それぞれの地域に古くから根付いている伝統や習わしがあり、お葬式の仕方にも違いがあります。もし香川県でお葬式やお通夜に参加することになった場合は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。その地域ならではの特色を理解して、故人を安全に送り出しましょう。