葬式の流れとは?当日焦らないためにも事前にチェックしておこう!
身近な人が亡くなれば、その死をゆっくりと受け止めたいもの。しかし、葬式の日程は臨終の当日に決まり、ばたばたと進んでいきます。万が一の事態に慌てないためにも、流れをチェックしておくことが重要です。この記事では、葬式の意味や流れ、日程の決め方についてわかりやすくご紹介します。ぜひご一読ください。
そもそも葬式を行う意味とは?
そもそも葬式とは、葬儀・告別式・火葬などの故人を弔う儀式のことです。宗教や地域の文化によって様式が異なることはありますが、葬式を行う意味や目的は共通しています。今回は、そんな葬式を行う意味を4つ取り上げ、ご紹介します。
(1)故人をあの世に送り出すため
葬式の一部である葬儀は、故人が迷わずあの世にたどり着けるように送り出す儀礼です。仏教では僧侶がお経を唱え、キリスト教では聖書を朗読するなど、宗教によって様式は異なります。しかし、儀礼に対する想いは同じです。故人のあの世での幸せを祈って、死者を弔います。
(2)遺族が心の整理をつけるため
葬儀は、遺された人が亡くなった人の死を受け止め、心の整理をつけるためのものでもあります。大切な人の死は、悲しく、なかなか受け止めがたいでしょう。そんなとき、葬儀は遺族が心の整理をつける手助けになるのです。たとえば、仏教では、四十九日や一周忌などの法要を行います。遺族は法要のなかで故人のために祈ったり、行動したりします。こうした時間を過ごすことは、故人の死を受け入れる一助を担うのです。
(3)故人とゆかりのある人と別れるため
葬儀は、故人と社会との別れの儀式でもあります。人はたくさんの人と支え合って生きるもの。生前の故人と関わりのあった仕事仲間や友人、ご近所の人などとのお別れも重要です。近親者のみで葬儀を済ませる場合でも、お世話になった人には訃報を出して知らせましょう。
(4)家族や親族、知り合いが集まる場として
大切な人の死をひとりで受け止めるのは、なかなか難しいもの。家族や親族、知り合いなどの故人と関わりのあった知人同士でお互いの気持ちを分かち合うことは、心の負担を減らすことにもつながります。
葬式の流れを確認しよう
ここからは、仏式の葬式当日の一般的な流れをご紹介します。
(1)喪主・遺族の集合
喪主や遺族は会場に集合するのは、一般的に、葬式が開始される1時間ほど前です。そして、葬儀社のスタッフと式の流れを最終確認したり、弔電の名前や順番を再確認したりします。時間に余裕があれば、会葬御礼品のチェックもしておきましょう。
(2)受付
少しずつ人が集まりだしたら、受付を開始します。親族に受付をするように促し、その流れでほかの参列者にも受付をしてもらいましょう。開式予定時間の15~20分前には、全員が着席しておけるように、余裕をもって受付を終えます。
(3)開式
参列者が席に座るころ、僧侶の入場し、司会者が開式を案内します。
(4)葬儀
葬儀とは、葬送儀礼を省略した言葉です。式次第に沿って、僧侶による読経や、弔辞・弔電の奉読が行われます。
(5)告別式
葬儀が終わり、僧侶が退席した後、続けて告別式が行われます。告別式で行うものは、焼香・献花などです。焼香は、一般的には、喪主・遺族・それ以外の参列者の順に行います。ただし、地域のよっては、止め焼香といって、故人との縁の深い人があえて最後に焼香を行う場合もあるため、スタッフに事前に確認しておくのがよいでしょう。ほかにも、指名焼香や代表焼香などのバリエーションがあります。献花では棺に花を納めます。
(6)閉式・出棺の準備
閉式後、遺族や親族のみが式場内に残り、出棺の準備をします。棺に花を入れたり、棺にくぎを打ったりするなど、地域によって行うことは異なります。出棺の準備ができたら、遺族や親族で棺を運び、霊柩車に乗せます。霊柩車の扉が閉じられる際には、一礼することがマナーなので、注意しましょう。また、霊柩車が出発する前に喪主から参列者に会葬御礼の挨拶をします。
(7)納めの式・火葬
火葬場に着いたらまず行うのが、納めの式です。納めの式では、僧侶の読経と喪主や遺族による焼香が行われます。火葬にかかる時間は1時間~1.5時間ほどで、この間は火葬場の控室や式場で待ちます。
(8)骨上げ
火葬が終わると、次は骨上げ(こつあげ)を行います。骨上げとは、遺骨を箸で拾い、骨壺に収めることです。喪主から順に血縁の深い人の順に行います。火葬後に渡される火葬許可証は、納骨のときに必要なので、しっかり保管しましょう。
(9)還骨法要
火葬場から式場に戻ると、還骨法要(かんこつほうよう)を行います。還骨法要は、還骨勤行や環骨回向、安位諷経などとも呼ばれます。内容は僧侶の読経と焼香で、30分ほどかかるものです。また、還骨法要にあわせて初七日法要を行うこともあります。
(10)精進落とし
精進落としとは、僧侶を含め、お世話になった人々とともに会食を行うことです。忌中払いやお斎、精進上げとも呼ばれます。会食の開始時には、喪主からの挨拶と献杯があるのが一般的です。終了時にも喪主からの挨拶があります。精進落としが終わると、葬式は終了です。
葬式の日程はどう決める?
葬式の日程決めには、留意しておきたいポイントがあります。
(1)なるべく早く予約する
亡くなった日から葬式まで日が空くと、遺体が腐敗します。斎場や保管施設に遺体を安置することもありますが、とくに夏場は遺体が腐敗しやすいため、なるべく早く葬式を行う必要があるでしょう。
(2)火葬場・僧侶のスケジュールをまず確認する
地域によっては、火葬場の空きがあまりなかったり、僧侶のスケジュールが埋まっていたりすることがあります。なるべく早く葬式を行うためにも、まずは火葬場・僧侶のスケジュールを確認することが肝心でしょう。違う自治体の火葬場や民営の火葬場を利用すると、費用が高くなることが多いため、注意してください。
(3)遺族のスケジュールに合わせる
葬式は、遺された人が故人の死を受け止めるための儀式でもあります。遺族が海外にいたり、仕事などでどうしても都合がつけられなかったりする場合には、遺族のスケジュールに合わせることも大切です。
(4)友引を避ける
六曜は中国の占星術がもとになっているため、日本の一般的な葬式には関係ありません。しかし「友を引く」といわれる友引は、故人があの世へ友も引っ張っていってしまうと考えられ、友引に葬式を行うことは避けられているのが一般的です。また、同様に縁起が悪い日として仏滅や赤口を避けることもあります。
この記事では、葬式の意味や流れ、日程の決め方についてご紹介しました。葬式とは、葬儀・告別式・火葬などの故人を弔う儀式のこと。故人をあの世に送り出すことはもちろん、遺された人が故人の死を受け止めるためにも重要な儀礼です。葬式では、読経・焼香・出棺・火葬・精進落としなどを行います。葬式の日程は、火葬場や僧侶のスケジュールをまず確認し、なるべく早い日程に決めましょう。